2011年2月17日木曜日

多様性理解の理解

みゃーーーー。今日はこんなんでてきましたぁ。

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私、早応大学新聞記者、教育学部教育学科教育人類学専攻二年の石目帯子と申します。本日は、多様性理解が就活の成否に影響する、ということを説いておられる、中州産業大学准教授の筒抜鷲隆先生にお話を伺います。

石「まずお伺いしたいことは、多様性ということ、それを理解するというのはどういうことなのでしょう」
筒「多様性ってのはね、英語で言えばダイバーシティ。就活の文脈で言えば、職場環境における多様性のことだよ。つまり、性別やら国籍やら年齢やらなんやら、たくさんの属性とか指向性をもった人がいることをしっかりと認識すること」

石「いろんな人がいるってことはわかりますが、その人たちを認めるということですか?」
筒「ま、そういうことだね」

石「でも、あの人と一緒にお昼食べたくないなって言う人、いますよね」
筒「仕事においては、一人一人の能力を認め合うことによって、チームの力が発揮されるわけ。だから、お昼の時間は一緒にいかなくとも、会議やワークショップでは、その人の能力を認めてあげることが大事なんだ」

石「要するに、人の好き嫌いをしない、ということですか?」
筒「そうそう、そういうこと」

石「だったらそう言えばいいんじゃないですか?」
筒「つっかかるねえ。柔軟性とも言う」

石「なんで、それを、ダイバーシティとか多様性とか言うんですか?」
筒「え、なんでかって?」
 
 「.....そりゃぁ、ああた、かっこいいからだろう」

石「先生は多様性理解を、企業が求める力だとおっしゃいますよね?」
筒「そう、多様性の理解こそ、企業が求めてるんだよ。それは、多様性を理解している学生、つまり、ものごとを柔軟にとらえられる力がある学生は、就職が決まるのが早いという事実に現れているんだ」

石「就職が決まるのが早いのは、頭がいいからじゃないんですか?」
筒「だとすれば、頭がいいと言うことと多様性の理解は相関しているわけだ」

石「いろいろな会社があるという、会社の多様性を理解してですね、ここでもいいやってぱぱっと決めちゃうんじゃないですか?」
筒「懐が深いっていいことだよね。決断の早いこともいいことだ」

石「おっちょこちょいと多様性の理解は相関してませんか?」
筒「楽天的であるということは、生産性に良い影響をもたらすと思うよ。直接関係があるかというとそんなことはないけど」

石「たとえば、GoogleにしてもFacebookにしても、学力にはめちゃくちゃこだわりますよね。うすらぼんやりした学部卒業生なんか歯牙にもかけない。いや、国内企業だって最近は、やっぱりどこの大学かということが、重要だなんて言い始めていますよね」
筒「学力ったってそりゃあ、エンジニアとしての能力もあれば、論理的な思考能力みたいなこともあるわね。馬鹿を能力とは普通はいわないんだから、そりゃ仕方ないんじゃないの」

石「でも、多少能力が劣っても、多様性を理解する能力を持っている、そういう人を企業としては求めているってことじゃないんですか?」
筒「突き抜けた能力があれば、っていう条件付きだよね。平々凡々で毒にも薬にもならないようなつまらん学生は必要ないってことだよ」

石「突き抜けた能力がまずあることがまず大事なのであって、多様性の理解は二義的なものではないのですか?」
筒「いや、そうとまでは言わない。多様性の理解ができなければ、いくら他の能力があってもだね、協調して仕事ができないじゃないか」

石「でも、その人以外が全員多様性を理解していれば、一人協調性も柔軟性も思いやりのかけらもない人間がいても大丈夫ってことですよね」
筒「論理的にはそうなるね」

石「多様性を理解していたとしてもですよ、例えば、隣の人のフケだらけのジャケットが気になって、仕事が手に着かないとか、普通にありますよね」
筒「そういうどうでもいいことを言わんで欲しいなあ。そんなの注意すればいいじゃないか」

石「でも、いやさっきからそのフケが気になってですね」
筒「え、おれのこと?いやごめんごめん。で、何の話だっけ?」

石「多様性を理解している人は、就職が早いから、企業が多様性理解という能力を求めているとか、就活に有利な能力というのがよくわからないんです」
筒「どうして?」

石「嫌いな人がいても我慢しなさいってことが、どうしてそんなに大事なのかが、腑に落ちないんです」
筒「だって、ものごとを柔軟に考えられるってことは、例えば面接やグループディスカッションで、どんな質問や主題が来ても、ちゃんと対応できるってことだから、就活にいい効果をもたらすってことじゃないか。ストライクゾーンが広いと、選択肢が増えるから、いろんな仕事に適応できて、会社への貢献しやすくなる」

石「クリエイティブに物事が捉えられて、発想が柔軟だけど、人とは協調できなかったり、妙に頑固で好き嫌いの激しい人ってよくいますよ」
筒「だから、そういう人を認めるのが多様性理解なんだよ」

石「でも、その人は多様性を理解していない人ですよ」
筒「いいじゃないか、仕事ができるんだから」

石「突き抜けた能力を持つことがまず第一であって、多様性の理解は二義的なものではないのですか?」
筒「いや、そうとまでは言わない。そうとまでは言わないが、やっぱり大事なんだよ」

石「でも、残りの全員が多様性を理解していれば、才能はあっても協調性も柔軟性も思いやりのかけらもない人が一人いたとしても、大丈夫ってことですよね?」
筒「論理的にはそうなるね」

といった議論が延々3時間続いたあげく、お互いがお互いを理解できないまま、インタビューは終了した。

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