2011年2月16日水曜日

What can you do?

今日はこんなん出ましたー。

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 映画を観に行った。最近話題のやつで、世界最大規模だかユーザー数5億人だかのSNSを立ち上げた男の話。僕もそのサイトはほどほどに使っている。本にせよ映画にせよベストセラー作品にはそう簡単には手を出しはしないぞと、天の邪鬼な態度を取るのはいつものことだったのだけど、仲の良い友人連中が普段の会話やらブログやらでこぞって絶賛してるもので、まぁ観に行ってみるかなと映画館に足を運んだのだった。

 今の理由は半分本当で、半分嘘だ。行こうと思ったきっかけは友人のブログなんだけど、いつものように、重い腰を上げて「しゃあない観に行ってやるか」というような心持ちではなかったのだよな、なぜか。呼ばれたような気がして、さ。今絶対映画館で観とかなきゃダメだって、そういう気持ちになってた。

 で、案の定引き込まれたわけ。映画が終わった後軽い眩暈を覚えたのは久しぶりだ。鳴り物入りで日本にもやってきた最新3D技術を尽くしたハリウッド映画を大音量で重たい3D眼鏡をかけながら観た時にもこうはならなかった(そっちはむしろ、興醒めと言って良いぐらい)のに。今なら、なぜこの映画に呼ばれたのかなんとなく分かる。

 映画では、サイトを立ち上げた主人公に、「俺たちのアイデアをパクりやがってこのオタクめ」と、屈強なボート部のエリート兄弟が訴訟を起こしたのだけど、彼らに対してその主人公が、「作ったのは僕だ。アイデアを盗まれたというなら、自分達で作ってみろ」と反論していた。

 一瞬ドキっとした。あ、勿論盗みは働いちゃあいないけど。「自分で作ってみろ」って、なんだか自分自身にも言われているような気になって。「アイデア色々出すのは良いけど、じゃあお前、これから何作んの?」って。

 彼はそんな言動から、多くの敵を作った(彼女にも相当嫌われてた)わけだけど、純粋すぎただけなんだと思う。最後に新米弁護士が、「あなたは悪い人なんかじゃないわ。そう振る舞おうとしてるだけ」なんて言ってたけど、挑発的な言動も、根本の悪意から出てるわけじゃあない。ただただ自分の書くコードが、自分の作ったサービスが、どこまで化けるか見たかった、挑戦したかっただけなんだと思う。

 言論過多の世の中だ。希しくも彼のサービスをはじめとしたSNSのおかげで、世界中の誰でも何かのトピックについて一席ぶったり、インスタント評論家になっちゃえる時代。僕は評論家になりたいわけじゃないのだけど、なんだか最近そちらに流れていきそうで。

 千の言葉、万のアイデアよりも、一の作品が重い言葉を発する時がある。「俺はこんなん作ったけど、お前は何が出来る?」ってね。

 参ったね。ぼやぼやしてる暇、無いのだよな。

 とりあえず、女の子と一緒に観に行かないで良かった。終わった後にお茶でもしながら気の利いた話を出来るはずもなかっただろうから。

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