2011年1月21日金曜日

警備員のおじさん、Love 

きょうは、こんなんでました。

----------------------
私は不動産会社に勤めるOL27歳。

六本木一丁目の改札口を毎朝9時少し前に出る。
駅に直結したビルの自動ドアが開いたとたん、張りのある「おはようございます」の声が聞こえる。

警備員のおじさん。
彼は毎日、おはようございますマシンになっている。
ひとりひとりに、声をかける。
きちんと頭を下げる。

パパより少し年配だろうか。
警官のできそこないのような、まあ、きまりきった制服に、きちんと刈り込んだ銀髪。。

警官のような眼光鋭い感じでもない。
背広を着ていたら、サラリーマンの管理職に見える。
どことなく安心感のある趣。
元は、営業マンだったんじゃないかな。

ビルを出るときにも「行ってらっしゃいませ」と声をかけてくれることが多い。
そのタイミングがまたいい。
出先から帰ってきたときは、なぜか、頭を下げるだけ。
休日出勤の時は、ご苦労様ですといってちょっとにこっとすることもある。

なんか、いい気分になるんだよねー。

サラリーマンを卒業して、今の仕事に就いたんだと思う。
だから、勤め人の気持ちがよくわかってるんじゃないかな。
若い人だと、たぶんこの落ち着きは出ないと思う。
誰にでもできる仕事のようでいて、誰がやっても同じというわけではなさそう。

お給料はそんなには良くないでしょうね。

ほかのビルに行っても、こんな警備員さん、けっこういる。

去年アメリカのホテルにタクシーで行ったとき、有色人種のドライバーの人に、
まるでけだもののように、あっちへ行けと指示したときのホテルの白人ポーターの尊大さを
時々思い出すことがある。

何年か前のおじさんなら、絶対に私よりポジションが上だったような気がするんだけど、
今ではおはようございますマシンになれるのは、階級のようなことを
日本は意識しなくていいからかな、と思ったりもする。

私の想像だけど、営業のプロから警備のプロにしっかり転身している。
そして、過去の経験が生きていて、目配りを行き届かせて、お手本のような挨拶をしてくれる。

実はさっき、床が濡れていて転びそうになった。ふと顔を上げると警備員さんと目があった。
心配そうな表情だった。
わたしはちょっと照れて、えへへと笑った。
おじさんも、つられて笑った。



0 件のコメント:

コメントを投稿